8人家族で暮らす二世帯住宅@さいたま市緑区~上棟式
先日、現在建築中の二世帯住宅=4世代が一つ屋根の下に暮らすN様邸、上棟式を行いました。
少子高齢化で疲弊するニッポン。
このご家族に、その解決策のひとつを見たように思います。
3人の元気なお孫さん、子世帯ご夫婦、親世帯のお母さま、写真には写っておられませんが、親世帯のお父様と、お祖父さまがいらっしゃいます。
それまでも、30年ほど前に建てられた家にみんなでお住まいでした。
「子供たちもこれから大きくなるし、土地を探して家を建てようか」と、お若いご夫婦は独立も検討されましたが、最終的には二世帯住宅へのお建て替えを判断されました。
新たに子世帯が独立するために、土地を買って家を建てたら、経済的な負担が大きいのはもちろん、お互いにフォローしあうことも難しくなります。
核家族化を進めた今の日本が、一人一人の負担を重くしていることを考えると賢明なご判断だと思います。
これからますます人口減少が進む中で、安易に住宅の数を増やすのは、将来の空き家を増やすことにもつながります。
経済が伸びない中でモノの値段が上がり、ますます暮らしにくくなるこれからの世の中、二世帯住宅への建て替えは、家族みんなが幸せに暮らすためのひとつの解決策なのではないかと思います。
さて、それでは、大家族が暮らすお住まいの、工夫を凝らした点を簡単にご紹介しましょう。
まずは1階の玄関から。
小さな子供たち3人を含む、総勢8名の靴が並ぶ玄関。
常に整然とした状態を保つのは、至難の業。
そこで、こうしました。
衝立を置いて、2つに仕切り、メインの玄関とシューズクロークという名の家族用玄関に分けます。
これで、メインの玄関は常にスッキリしてお客様を迎えることができ、家族用の玄関には子供たちの靴を並べておいて、使いやすさを優先するということが可能になります。
お祖父さまのお部屋は、なによりもアクセス重視で、玄関に近く、トイレにも洗面・浴室にも最短距離で行けるスペースにご用意。
水まわりは開閉が楽な引き戸を基本とし、必要なところに手すりを設けています。
今回の二世帯住宅では、玄関と浴室は共用しますので、浴室の入り口は階段室のすぐ横に設け、夜遅い時間にお風呂に入ることになっても、親世帯とお祖父さまのご負担にならないよう、配慮しています。
親夫婦のお部屋は、16畳のLDKとクローゼットを合わせて約10畳の主寝室をご用意しています。
主寝室は、約半分を寝室として使うため畳を敷き、もう半分はフローリングで、居室としても使えるようにしています。
お二人とも在宅の時には、仕切られた空間で一人時間を楽しみたい時もありますよね。
さて2階。
1階親世帯、2階子世帯の二世帯住宅でまず配慮すべきは音の問題。
基本、パブリックスペースとなる1階LDKの上に2階のLDKを、寝室の上に寝室が重なるように、日々のストレスを抑えるようにゾーニングしています。
5人で暮らす子世帯は、個室を3部屋に、ファミリークローゼットも設けているため、LDKは14帖とやや控えめサイズ。
そこで、隣接する子供部屋を3枚引き戸で全開放できるようにし、普段は開放して使います。
キッチンに立つママの目も届くので安心ですし、これにより約20帖を確保できます。
しばらくは子供部屋とリビングを兼ねて使う作戦です。
これからどんどん増えるモノを仕舞うには、ファミリークローゼットでは足りません。
そこで、寝室の上に6帖大のロフトを設けて、モノがあふれる近い将来に備えます。
洗濯物は、基本バルコニーに干します。
全部ではありませんが、屋根で覆われているので急な雨でも、風がそれほど強くなければ濡れずに済みます。
ただし、お子さんが3人となると、洗濯物の量もかなりのもの。
干すところに困らないように、位置を見定め天井吊り下げ物干しをご用意いたしました。
今回は1階も含めて、4か所にホスクリーンを設置しています。
この天井吊り下げ物干し、取り付けるなら、新築時にやっておきたい工事のひとつです。
今回は、長期優良住宅の認定を受け、ゼロエネルギーハウスレベルの断熱等級5、一次エネルギー消費量等級6をクリアして高い住宅性能を実現しています。
1つには、深刻さを増す地球温暖化問題と、上昇を続けるエネルギー価格に対応するという狙いがあります。
実はもうひとつ目的があって、当社は国土交通省が進める、「地域型住宅グリーン化事業」に参加しています。
木造住宅を建てるには、私どものような工務店が中心となって、原木の供給を受け、製材、プレカット、建材流通、設計と複数の会社が携わります。
そういう仕事ですから、同じ地域でグループを組んで取り組むのが一番効率もいいし、信頼関係も築け、間違いのない仕事が進みます。
そういうグループを応援して、いい家を建ててもらおう!いい家を建てるにはそれだけお施主様の費用負担も増える、それなら補助金を出して、負担を減らして差し上げよう!という取り組みがこの事業の目的です。
補助金を受けるためには、いい家を建てるのが大前提なので、今回のお住まいも長期優良住宅の認定を受けるため、断熱性能を高め一次エネルギー消費量を低く抑え、さらに高齢者が安心して住める、バリアフリー等級も3を取得しています。
今回は、石山工業所が参画するグループで、性能が高い家を建てることで、150万円をこえる補助金をお預かりすることができました。
いい家を建てることで、補助金を受けることができる、こんないいことありませんよね。
さらに、陽当たりのよい屋根を活用し、7.8kwの太陽光発電も搭載しています。
これは、建材大手のLIXILが提供するサービス「建て得(たてどく)」を活用しています。
太陽光発電の設置費用を、その後の売電収入で賄うことで、当初設置費用を大幅に抑えることができるサービスです。
現在の日本は、少子高齢化、地球温暖化などなどの様々な問題を抱えています。
そんな中で新しい家を必要とする方には、国が向かうべき方向に沿った家を建てるのであれば、その手助けをしようという施策が用意されています。
それなら使わない手はないですよね。
当社でも、こういう情報を漏らすことがないように、日々アンテナを張り巡らし、お客様のより良い家づくりに貢献できればと思っています。