減築リフォームのススメ
先日、立派なお住まいの減築リフォームに取り組みました。
減築とは、その名の通り、増築の反対で家を小さくリフォームすること。
10数年前、この言葉が使われ始めた頃は、『お金を出して、家を小さくリフォームするなんて・・・』
という印象が強かったのですが、ここ数年で市民権を得ました。
日本は核家族化が進み、子育てが終わると、子供たちは家を出て、老夫婦二人で暮らすという家庭が多いです。
二人で暮らすのに2階建ての大きな家は、デメリットが多いもの。
階段の上り下りは大変だし、光熱費は余計にかかる。使っていなくても埃が溜まり、掃除しなきゃいけないし、使わない部屋にも風を通さないと家が傷みます。
誰もいない2階から物音がした!なんて、防犯の面でも心配ですよね。
そんなお悩みから解放される、減築という選択。お薦めです。
立派なおすまいですねえ。
でもこんなに大きくなくていい。
というわけで、コンパクトな平屋に減築されることになりました。
ご覧の通り骨組みはしっかりしていますので、使える部材はそのまま使い、耐震のための金具とか、断熱性能を高める部材とか、最新の技術を生かすべきところには新しい建材を投入します。
『ここまで解体するなら、建替えたほうが早いのでは?』という声も聞こえてきそうです。
もちろん、構造上の傷みが激しいとか、全く違う間取りにしたいというような場合は建て替えたほうが良いでしょう。
でも、建替えようとすると、予算的なものはもちろん、さまざまな法令により多くの制約を受けて、思うような家が建たない場合も多いのです。
今回は、2階建てを平屋にする計画で、今あるものを再利用するリノベーションで減築するのが最適であろう、という判断になりました。
2階部分に残っていた構造材も、使えるものは1階で使いました。
今回の減築リフォームによる、主だったメリットを挙げてみますと、
・普段の生活で移動する範囲が狭くて済む。特に階段の昇降がなくなった。
・建物の重心が下がり、さらに耐震工事も行ったことで、耐震性能大幅アップ。
・断熱性気密性も高まったから、冷暖房効率も高まり、光熱費を抑えつつ快適に暮らせる。
今回のお宅は土地に余裕があるのであてはまりませんが、一般的な住宅街の場合は、減築によって日当たりや通風を良くしたり、災害時は、連鎖倒壊や延焼の恐れを減らすという利点がある場合もあります。
住み慣れた一戸建てを売却して便利なマンションに住み替えるというケースも多いとおもいますが、年老いてから環境が変わると、リロケーションダメージにさらされ、健康がむしばまれるという心配もあります。
人生100年時代、これからの住まいの選択として、住み慣れた我が家を減築リフォームする、という選択もありだと思います。
『あれ?それ、いいかも?』と思われましたら、当社の家づくり相談室までお電話ください。
お待ちしております。